第2回 ドミニカ共和国
日本からレソト王国への飛行機の直行便はない。必ず第三国を経由して行くことになる。たとえば、シンガポール経由で南アフリカ共和国のヨハネスブルク国際空港まで行き、そこを経由して、レソト王国のマセル国際空港まで行くことになる。
経由地は、シンガポールのほかにも香港、バンコク、マレーシアなど、東南アジアの国際空港からだとだいたい行ける。中東からだとドバイなどを経由しても行くこともできる。
乗り継ぎの時間を考えなければ、日本から約19時間。たとえば、シンガポール経由だと、日本からシンガポールまでが約7時間。そこからヨハネスブルグを経てレソト王国のマセル国際空港までが約12時間。国際空港は首都マセルから約30分のところにある。
国名 | レソト王国 |
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首都 | マセル |
面積 | 30,355平方キロメートル(四国の約1.6倍) |
人口 | 188万人(2007年現在) |
民俗 | ソト族 |
言語 | ソト語と英語 |
気候 | 春(8~10月) 夏(11~1月) 秋(2~4月) 冬(5~7月) |
時差 | 日本とはマイナス7時間 |
通貨 | 標準通貨単位はロチ(複数形はマロチ)、1マロチ=約13円 |
物価 | 日本の3分の1程度 |
レソト王国は南部アフリカの内陸にあり、世界で唯一、国土全域が標高1500mを越える国だ。しかも、イタリアに囲まれたバチカン市国のように、南アフリカ共和国にすっぽりとまわりを囲まれた珍しい国である。
レソト王国が誕生したのは1966年。現国王はレツィエ3世で立憲君主制の国でもある。非常に平和で安全な国で国民性も非常に穏やか。夜一人で歩いても平気だ。使われているセソト語はローマ字読みが出来るし、なんとなく日本に似ている。
中央にはバソト人の帽子が象徴として描かれている。
青は空と雨、白は平和、緑は豊かな国土と反映を表わす。
国王レツィエ3世
レソト王国は、その名が示すとおり立憲君主制の国だ。現在の国王はレツィエ3世、40代と非常に若く、フェイスブックをやられているとの噂もある。
国民は極めて勤勉、国民の約98%がクリスチャンだ。朝8時頃になると政府の機関も動き出す。あとは、ほぼ日本と同じ勤務形態だ。夕方になり、仕事が終わると家に帰って家族と食事をしたり、レストランでディナーを楽しんだりする。
金曜日にはホテルのバーやディスコなどがにぎわう。ただし、日本でいう居酒屋は無い。ただし、酒を売ってはダメというわけではない。街自体はきれいでゴミが落ちていたり、浮浪者がいたりとかは無い。
教育は日本と同じ6・3・3・4制、小学校は教育費は国家が負担。教育レベルは高い。男性の識字率は約86%、女性は約93%に達する。
日曜日には教会に行く人が多い。休日はピクニックが人気。レソト王国は自然が豊富で首都が1800mの高地にあるほか、山の方に行くと、2000m級のところにたくさんのリゾート地がある。近代的なホテルは無く、あるのはロッジばかりだ。
レソト王国では1年のうち約300日が晴天でほとんど雨が降らない、だから湿気もほとんどないし蚊もいない、だからマラリアの心配も一切無い。というわけで予防注射の必要も無い。ただし、キリンやゾウなどの野生動物はいない。一般のアフリカのイメージからはかけ離れたところだ。
アフリカには水が不足というイメージがあるがレソト王国は水が豊富。標高の高いところでは、蛇口の水はそのまま飲める。
レソト王国での正装は独特の形をした帽子をかぶり、毛布を身にまとうというもの。これは男女とも同じ。毛布のデザインは色々。日本でいう家紋のようなものをデザインしたものもある。毛布の下はスーツだったりシャツだったりといろいろだ。
若者の流行やファッションは、南アフリカ共和国からのテレビ放送などのメディを通して入ってくる。テレビは英語やソト語でやっている。関心が高いものは携帯電話やサッカー。それから、公共交通機関が少ないのでクルマ。それも日本車への関心が高い。
首都マセルにもショッピングセンターはあるが、ちょっと高価なものを買う時は、国境の検問所を越えて南アフリカ共和国のブルームフォンテーンに行くことが多い。ブルームフォンテーンはサッカーの対カメルーン戦が行われたところ。マセルからは約1時間の距離だ。
レソト王国は水が新鮮でおいしい。主食はトウモロコシと小麦で米は食べない。肉は鳥と牛がメイン。オックステイルシチューといって、日本でいうステーキに近いものが有名。あとティボーンなどがおいしい。鳥や牛は放牧をし、薬品もあまり使わず、国内で生産されたものだ。
味付けは、おだやかな気候のせいか、極端な辛さとかスッパさが無いので、日本人にもピッタリ。他のアフリカの国とはまったく違う。一つ難をいえば魚が無いこと。この国には魚の食文化が無い。ということもあってか、日本食を食べられるところは無い。
決して豊かではない生活だが、レソトの人は自分で作物や肉をつくって食べる。それは水があるからできること。人口は200万人程度、それが四国の1.6倍程度のところにいる。密度もゆったり、自然と共存している国だ。
ここのゴスペルはお勧めだ。宗教的な色合いが強いアフリカンゴスペルで物凄く音がきれい、ロッジに泊まると、夕方からパフォーマンスがあることも。近所の子供達が来て歌ってくれることがあり、スピリチュアルな素敵な歌声を満喫することができる。現地で聞くアフリカンゴスペルは最高なのだ!
Hello | Lumeila |
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How are you? | Upheia joang? |
I am fine | Ke phela hantle |
What is your name? | Lebitso la hau u mang? |
May I have some water | Ke kopa metsi |
Vegitables | Meroho |
Good bye | Tsamaea hantle |
Thank you | Kea leboha |
Chicken | Nama ea khoho |
Beef | Nama ea khomo |
日本との関係はそんなに深くない。日本からの支援はあるが、専門家を送ったりといった協定はこれまで無かった。それが2012年にはできる。そうなると、農業支援などで、今後関係は深まるはず。望まれるのは、日本とレソト王国との人的資源の交流と育成だ。
レソト王国には、これと言った大きな産業が無い。だから、男性はほとんどが南アフリカ共和国に出稼ぎに行く。そのため、国内に男性が少ないから産業が発展しないのだ。つまり、国内に就労の場が出来れば、こうした問題は解決するわけで日本企業の進出が待たれている。
ちなみに、レソト王国は縫製業が非常に盛ん。中国はすでにレソト王国に進出しているが、それは、政治が安定していて、英語が話せ、勤勉で規律正しく手先が器用。しかも、競争力のある賃金水準で労働力を確保できるからだ。
レソトの人は日本人と似ている。目上の人にも礼をつくすし、言葉もローマ字読みをするから親近感もわく。水を「ミズ」といったり、森のことを「モリ」という。偶然だろうが、穏やかで勤勉なレソトの人たちからは、戦前の日本の昭和初期の日本の感じすらする。
日本国内でレソトを体験できるところ、残念ながら無い。
標高が非常に高く、寒暖の差がかなりあるため、夏はウォータースポーツ、春・秋にはハイキングやキャンプ、冬はスキーが出来る。アフリカでスキーが出来るのはレソト王国だけ。そうしたこともあって、アフリカ各国からはもちろん、ヨーロッパからスキーに来る人も多い。ただ、施設は日本のように至れり尽くせりのものではない。スキーのリフトなどはほとんどない。
朝夕食事つきのロッジで宿泊代は6~7,000円程度、ホテルも同じくらいの料金。食事は日本人の口に合う。シャワーはいつでも使える。変な臭いは無い。星空がきれい。高速道路は無いが世界中から観光客は来る。知る人ぞ知る!地球に残された楽園。映画の撮影もよく行われている。007やミッション:インポッシブルもここで撮った。
なお、ツーリズムセンターはあるが、日本人が期待するものは無い。レソト王国に行くなら、南アフリカ共和国にツアー会社があるので、そこを拠点にレソト王国に2泊くらいしてみてはいかがだろうか。レソトだけの中身の濃いツアーは今のところ無い。日本での相談窓口としては、ディープなアフリカ専門のツアー会社があるので紹介しておきたい。