第3回 エジプト・アラブ共和国
日本からのアクセスは、2011年1月25日のエジプト革命以前は、成田空港から毎日行く便が、関西空港からは1週間に4便があった。
ところが、「エジプト革命」直後は日本人があまり行かなくなったこともあって、直行便はなくなった。ただし、別の空港に立ち寄ったり、別の航空会社の便に乗り継いで行くトランジットは存続。そして、2012年7月には直行便が復活。成田空港から毎週3便が飛び立っているほか、12月からは関西空港からの直行便が毎週2便再開しているとのことだ。
直行便はカイロまたはルクソールの国際空港に到着するが、搭乗時間は約12時間。トランジットだと約1日を要する。エジプト・アラブ共和国に入国するには、パスポートとビザが必要だ。
2011年1月、周辺の国々で起きた民主化運動はエジプトにも波及、大規模な反政府デモが発生した。そして、同年2月11日にはムバーラク大統領が辞任するというエジプト革命が起きた。
さらに、同年12月7日にはカマル・ガンズーリ氏を暫定首相とした政権が発足。その後、大統領選挙が行われモルシ大統領が誕生。2012年6月30日に民政に復帰したが、モルシ大統領が実施すると言い出した新憲法案を巡って、2012年12月10日現在では国内での対立が激化。デモが発生している。
詳しくは
外務省領事サービスセンター 電話03-3580-3311内線2306
外務省 海外安全ホームページ http://www.anzen.mofa.go.jp/
国名 | エジプト・アラブ共和国 |
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首都 | カイロ(アフリカ大陸最大の都市) |
面積 | 約100万平方キロメートル(日本の約2.6倍)。東に紅海、西にリビア、南にスーダン、北東をイスラエルと隣接する国、国は大きいがほとんどが砂漠地帯。ナイル川周辺以外の国土の大部分は砂漠だ。砂漠の中にオアシスの町が点在している。 |
人口 | 約8,000万人 |
民俗 | 主にアラブ人 |
言語 | 公用語はアラビア語だが、英語、ドイツ語、フランス語なども使う。日本語を使う人も増えている、学校では小学生の時からアラビア語と他の国の言語も勉強している。大体80%くらいが英語、その次がドイツ語かフランス語。 |
宗教 | 現在2つの大きな宗教があり、イスラム教が約80%、キリスト教(コプト教)が約14%、あと2~3%がユダヤ教とか、さまざまな宗教が信仰されている |
気候 | エジプト・アラブ共和国の中で、「カイロ周辺」は半砂漠性気候、「ナイル・デルタ地域」は地中海性気候、「南部地域」は砂漠性気候、「アレキサンドリアの地域」は地中海性気候と4つの気候区分がある。年間を通して気候は穏やかで、夏は気温が上がるが湿度は低く過ごしやすい、冬はほぼ毎日晴れるが気温は低くなりがち、ただし、砂漠の夜はかなり冷え込む。 |
時差 | 日本との時差は-7時間 |
通貨 | エジプトポンド(1エジプトポンド=約15円) |
物価 | 日本の5分の1程度 |
エジプトといえば砂漠やピラミッドしか思い浮かばない方も多いと思うが、スエズ湾からスーダン国境にかけて続く紅海沿岸には、美しい砂浜のリゾート地が点在。セイリング、ウインドサーフィン、釣り、ダイビングなど、さまざまなマリン・スポーツが盛んなエリアとして世界的にも有名だ。
ちなみに、紅海はアフリカ東北部とアラビア半島に挟まれた細長い海で長さ約2,250km、最大幅355m、平均水深491m、海の透明度は極めて高く、多種多様な珊瑚が生息しているところから、世界中のダイバーあこがれのエリア。エイ、サメ、ナポレオンフィッシュなどの大型魚にも、よくお目にかかれるのだ。
紅海といわれるが、海水が赤いわけではない。ミネラル分の多い赤い山脈がそびえているところから、古代の航海士たちはここを紅海と名付けたのという。
スエズ運河とスエズ湾がつながるところに位置するスエズは、商業港として栄えてきたところだ。1869年のスエズ運河の開通で街はさらに栄え、近代都市へと変身した。
さらにスエズ運河と紅海の接続点にあるハルガダは、20世紀になってつくられた紅海沿岸一のリゾート地で、今やマリン・スポーツの世界的中心地でもある。
ナイル川ではナイルクルーズが盛ん。船に乗って飲んだり食事をしたり、ベリーダンスを楽しんだりと、いろんな楽しいプログラムがある。
エジプトには博物館や美術館は回りきれないほどある。なかでもカイロ博物館は圧巻。館内には数千もの遺物が展示されている。
イスラム社会の「こんにちは」という挨拶は、「アッサラーム・アレイコム(あなたに平安がありますように)」という。こんな挨拶をする人たちが戦争やテロに走るはずがない。とはいうものの、なかには戦争やテロに走る人もいる。ただ、ビンラディンなんて人、エジプトの人たちはほとんど知らない。日本人から見るとアラブの人みんながビンラディンに見えちゃうんだけど、アラブ社会ではビンラディンの名前すら知る人は少ない。
だから、エジプトに行ったら、みんなが考えているイメージとは全然違うはず。どちらかというと、日本のサムライの文化に、よく似たところがあるのかもしれない。
アラビア語は右から左へ、アラビア文字は28文字。
ص | ش | س | ز | ر | ذ | د | خ | ح | ث | ج | ت | ب | ا |
ي | و | ه | ن | م | ل | ك | ق | ف | غ | ع | ظ | ط | ض |
こんにちは | السلام عليكم アッサラーム アレイコム (あなたに平安がありますように) |
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こんにちは(返事) | عليكم السلام ウアレイコム サラーム (そして平安があなたにもありますように) |
(男の人に向かって)あなたのお名前は? | ما اسمك؟ マースムカ? |
(女の人に向かって)あなたのお名前は? | ما اسمك؟ マースムキ? |
私の名前は・・・・です | ・・・・اسمي イスミ・・・・ |
(男の人に向かって)ご機嫌いかがですか | كيف حالك ؟ カイファ ハールカ |
(女の人に向かって)ご機嫌いかがですか | كيف حالك ؟ カイファ ハールキ |
元気です、おかげさまで | الحمد لله アルハムドゥ リッラー |
ようこそ | مرحبا マルハバン |
とても感謝しています | شكرا جزيلا シュクラン ジャズィーラン |
どういたしまして | عفوا アフワン |
さようなら | مع السلامة マアッサラーマ |
宗教は、お父さんがイスラム教だと子どももイスラム教というのが基本だが、子どもがキリスト教を信仰することもあるのだという。でも、特に問題にはされない。そうしたこともあってか、イスラム教とキリスト教の信者のあいだでの宗教戦争などまったくない。昨年のエジプト革命の時には、モスクも教会も一緒になって抗議をしていた。みんな同じ国民という意識が強い。だから、宗教での分けへだてはない。エジプトに行くと、ほとんどみな同じに見える。違うことは、礼拝の時にモスクに行くか教会に行くかだけ。
「それやめなさい」「これやりなさい」。エジプトの若者は、皆家族の中でお父さんやお兄さんから言われたことをちゃんと守ることができる。
イスラームでは、女性は顔と手だけ出すことができる。ズボンをはいても問題はない。顔は基本的には隠さなく ていい。地域によっては顔を隠すようにしているところもあるが、 あれは土着の慣習と指導者によるもので、イスラームから来ているものではない。
また、顔と手を隠せば何を着てもよいのかと言うとそうではなくて、なるべく 体の線が出ないものが望ましいとされている。だから、長めのゆったりした服を着る人が多い。それと、ミニスカートはイスラム教徒はあまりはかない。コプト教の女性が着ている。
現在のエジプトのライフスタイルはいろいろ。たとえば、普通、働いている時間は午前8時半から午後3時半まで。ただし、昼休みの時間はなし。これが基本的な勤務形態。みんな、朝食事をして、仕事に行って、お昼ぐらいにお祈りがあって、そのとき、ちょっと紅茶を飲んだり、サンドイッチをつまむくらい。朝の食事は現在の日本とまったく同じかもしれない。チーズ、牛乳、ヨーグルトとか米、それから肉や魚など。仕事が終わると、大体3時半か4時くらいに家に戻って家族と一緒に食事をする。
夜の食事では肉とか結構たくさん食べる。食事の時間は長い。ただし、イスラム教ではお酒は駄目。ほかのアラブの国では飲む人は結構いるが、これは宗教の問題ではなくて人々の問題。ブタも絶対食べない。
近頃は外の屋台やレストランで食事をしたりする。多様な食べ物を予算に合わせて楽しむことができる。昔は食事は家でするものだったが、食事のスタイルも変ってきている。ちなみに、ハトの丸焼き、味付けをしたひき肉を棒に巻きつけて焼いたコフタ、かたまり肉を串に刺したケバブー、丸いパン、エイシュにソラマメのコロッケを挟んだ軽食などがポピュラーな食べ物だ。
イスラム教の戒律では1日5回お祈りがある。年間で1か月間断食もある。でも、毎日礼拝しない人もいるし、ラマダンになっても断食しない人もいる。
最近、日本料理の店がいくつかできた。だけど中国人がやっている。いろんなメニューがあって、寿司は人気。エジプトの人たくさん魚食べるけど生ではだめ。でも寿司はOK。魚は焼いたり、揚げたり、トマトソース入れてオーブンで温めて食べる。
海の魚と川の魚、海の魚は日本とまったく同じ。種類は豊富。川の魚はアスワンハイダムでできた湖に、いろんな種類の魚がいる。
ビールはいくつか種類あるが、まったくアルコールが入っていないビールもあって、イスラム教で酒を飲めない人たちが飲んでいる。サッカラビール、ステラービールなど有名なビールがある。インターネット調べたら続々出てくるぞ。
食事のあとは、1時間くらい昼寝して、そのあと、夜は喫茶店で友達と会ったり、自宅で家族たちと過ごす。TVもよく観る。TV番組で人気があるのはコメディアンの出る番組だ。去年、革命があってから、コメディアンが出てくる番組がいくつかできた。ドッキリ番組、ジョーク番組など笑える番組に人気集中だ。
中には、夜になるとアルバイトに行く人もいる。カイロは24時間にぎやかで大きな街。でも競争が熾烈な企業では1日20時間も働いている人もいる。ちなみに、エジプト・アラブ共和国は犯罪率は低い。
若い人たちは、仕事に行って帰ってきたら、友達と食事一緒に食べて、あとは遊びに行くことが多い。あるいはひとりで、カフェテリアとか喫茶店に行って、インターネットとか水タバコとかで長い時間を過ごす。インターネットカフェは結構たくさんある。
日本のように各家庭に風呂はないが、シャワーがある。シャワーは1日に1回か2回くらい。仕事から帰って、熱いからシャワーを浴びて、食事して、また、夜に出かけたら、シャワーを浴びて寝る。
東京にはエジプト料理の店がいくつかある。ひとつは、六本木にある「ネフェルティティ」、それから新宿には「ルクソールバー」、浅草寺の近くには「キメト」というレストランがある。
日本との関係は150年前、日本のサムライがエジプトに来たところからはじまる。その後、日本とエジプトのあいだでは戦争などもなく、友好な関係が続いている。
エジプト人は日本製のクルマや電気製品が大好き。ヨーロッパ製、中国製のものではなく、みんな日本製がほしい。なぜなら日本製の製品はハイレベルだから。でも、エジプトで日本の文化のことはあまり知られていない。
最近の動きとしては、2008年からエジプト日本科学技術年ということで、2010年には「エジプト日本科学技術大学」ができ、アレキサンドリアから約1時間、カイロからだと約3時間30分のところにあるボルグ・エル・アラブというところに本部が置かれた。
これはエジプト・アラブ共和国の国立大学で、エジプトをはじめとするアフリカ、さらに中東の国々に、日本スタイルの少人数、大学院・研究中心、実践的かつ国際水準の教育を提供をしようと設立された。日本政府はジャイカ(国際協力機構)を主体として教育者を派遣。九州大学、京都大学、東京大学、東京工業大学、早稲田大学をはじめとする20大学が参加し、技術指導などの支援を行っている。
この大学、日本の若者も留学できるのだが、日本の若者が留学することはあまりない。留学すると、エジプト政府から日本の学生に奨学金が出るのにね!日本の若者にもエジプト留学のチャンスがあるぞ!
ちなみに、東京大学文学部の学生二人が留学したが、帰国したらアラビア語がベラベラになっていたそうだ。行きたくなったら、エジプト大使館に問い合わせを!
◆ 連絡先
エジプト大使館文化・教育・科学局
TEL:03-5779-8030
東京都目黒区東が丘1-19-17
www.egyptcesb.jp
◆ 企業・団体のみなさま
今回登場したマスコットキャラクターの「パトラちゃん」をPR・販促・イメージキャラに使ってみませんか。使用料の一部は育英資金としてエジプト・アラブ共和国に寄付されます。
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