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第8回 シンガポール共和国

シングリッシュ・ワンダーランド!シンガポール共和国

「地球!なかよし計画」第8回では、シンガポール大使館Liu一等書記官にお話をうかがって、今のシンガポール共和国(以下シンガポール)の暮らしと文化をお伝えします。
アジアの経済大国? 家賃が高い? それとも、トランプ大統領と金正恩委員長の会談の場の印象? あなたはシンガポールという国にどんなイメージをお持ちでしょうか。
シンガポールはエネルギーに溢れた人々の国。あなたにとってもたくさんの発見があるはずです。

日本とシンガポールは約5000キロメートル離れています。日本各地の空港から直行便が出ていて、シンガポールの国際空港であるチャンギ空港までは約7時間。
ちなみにチャンギ空港は、ワールド・エアポート・アワードという世界の空港を表彰するコンテストで、6年連続世界1位に輝いているほど評価が高い空港です。充実した施設や設備はアジア地域のハブ空港にふさわしく、快適そのものです。

鹿児島県とほぼ同じ面積に多様な文化

シンガポールは東南アジアのほぼ中心にあり、国土の面積は東京23区と同じくらい。63の島から成り立っています。
最も大きなシンガポール島が国の中心となっており、北のマレー半島とはジョホール海峡で隔てられています。
季候は熱帯海洋性気候で常夏の国。1年を通して気温の変化は少ないですが、10月~3月頃はにわか雨が多くなるので、折りたたみ傘があると便利ですよ。

シンガポールは1965年に独立を果たした若い国です。
英国の植民地を経てマレーシアの一州となり、その後に分離した歴史を持ちます。
中国系・マレー系・インド系の民族の人々が暮らしており、その多文化性こそがシンガポール文化の最大の特徴となっています。各民族はそれぞれの文化を大事に守りながら、かつシンガポールという国の国民であることも意識しています。
ですから、たとえば中国系の人の風俗をとりあげて、これがシンガポール文化だ!と言えるかというと、それはちょっと違うのです。比較的同質性の高い日本に住む人々には、すこし分かりにくい感覚かもしれませんね。

言葉はごちゃまぜ!?

繰り返しますがシンガポールは多民族国家。みんな英語を使いますが、同じ民族同士だと、それぞれの母語で話すこともあります。
シンガポールの人はたいてい、自分の母語と、母語の方言(中国系であればマンダリン=標準中国語ではなく福建語など)、さらに英語をしゃべります。また、子どものとき、友達が別の民族の人だったりすると、仲良くなるうちにその言語を覚えていくことも。リー・シェンロン首相も多言語に堪能でどの言語でも話せます。シンガポールの人は場面によっていろいろな言語を使い分けているのですね。

共通語的に使われるのは英語ですが、シンガポールで話される英語は「シングリッシュ」と呼ばれたりもするほど独特。ここにも、シンガポールのさまざまな多民族文化が流れ込んでいます。
たとえば、食べることをマレー語でマカン(Makan)と言いますが、シンガポールでは、英語と組み合わせて「Let’s Makan」のようにご飯に誘う表現があります。これは、マレー語を使う人のみならず、多くの人に共有されています。
また、シンガポールの人のがめつい性格を表して「キアスー」という言葉が使われていますが、これは福建語が由来だとか。
さまざまな国の言葉が混合してシンガポール独特の言葉をつくっているんですね。

持ち家率9割!オフィスではノージャケット・ノーネクタイ

シンガポールでは、持ち家率が9割ほど。物価が高いというイメージからはちょっと意外な感じがあるかもしれません。これは政府がHDBという公営住宅を整備しているから実現できていることです。シンガポール人は公営住宅を購入する際に補助を受けることもできます。
また、団地やニュータウンのような地区にも、国に暮らす民族の割合と同様の割合の民族が暮らすこととするのが国の方針。ですから、HDBのお隣が他の民族の人、ということが多くあります。民族ごとのお祭りのときは、それぞれの部屋の飾り付けで、どんな民族の人が暮らしているか一目でわかる、というのも「シンガポールあるある」のひとつだそうです。

シンガポールのビジネス事情は、ビジネスタイムは9時から18時くらいと、日本とそれほど変わりません。
しかし服装は日本よりもラフで、暑い国なので基本的に男性はジャケットとネクタイはなし。女性もノースリーブなどが多く、よほどのことがない限り、そのスタイルで通すそうです。
シンガポールから日本に来ると、タクシーの運転手がきっちりスーツを着ていることに驚くとか。

ホーカー(屋台)にはミシュラン一つ星の店も!

商業都市シンガポールの人々の食事は主に外食。ホーカーズと呼ばれる屋台のフードコートが充実していて、朝も夜もそこで食べる人も少なくありません。
またシンガポール人は非常にグルメ。おいしいという評判を聞くと、時間が許す限りどこまでも出かけ、屋台に並びます。ミシュランガイドで星を獲得した屋台もあるほどです。
旅行者がおいしいものを食べたいと思ったら、ホーカーズで一番人が並んでいる屋台にチャレンジすれば、まちがいないかも?

食べ物に関しても多民族の文化が混在しています。有名なものでは、茹でた鶏肉のスープで炊いた「チキンライス(海南鶏飯)」、骨付き豚肉を漢方薬で煮込んだ「バクテー(肉骨茶)」、ココナツミルクと魚介ベースのスープ麺「ラクサ」など。
また、色々な果物などを混ぜ合わせたものにソースをかけた料理を「ロジャ」と言います。これはマレー語で「ごちゃごちゃしている」という意味の言葉。まさに多様な文化の混じったシンガポールそのもののような料理ですね。

屋台はシンガポールの人々のふだんの生活の場。物価が高いと言われるシンガポールでも、こうしたホーカーズの食事はとっても安いのです。
またシンガポールでは、さまざまな民族・宗教の人々が暮らしているため、食のタブーも多様です。現地の人は多様性に慣れているため、みんなが集まる食事の場では、誰かが食べられないものがないような工夫をします。さまざまな料理が並んでいて、みんなで好きなものを買ってテーブルを囲む屋台スタイルのホーカーズは、そんなシンガポール食文化の象徴とも言えます。

民族衣装は多様! アジアのカルチャーが大好き

各民族にそれぞれの民族衣装はありますが、ふだんはあまり着用していません。マレー系の方は宗教上の理由で、髪の毛や手足を見せられないために民族衣装を着るケースがありますが、基本的にはビジネスもカジュアルも日本とそれほど変わりません。
民族衣装としては、中国系、マレー系、インド系に加えて、中国系とマレー系の文化が融合したプラナカンの衣装もあります。
世間的には、シンガポールの民族衣装というと シンガポール航空の制服を思い浮かべる方が多いと思いますが、シンガポール航空の制服はピエール・バルマンというデザイナーが、多民族の国シンガポールを表すためにアレンジしてつくったものです。民族衣装を、そのまま制服にしたものではありません。

シンガポールでは自国独自のスターや音楽、エンターテイメント系のカルチャーはそれほどないとか。みんなが追いかける文化は海外のものが多いようです。
80年代、90年代は日本文化が人気でしたが、今の若者は韓国の音楽やドラマに夢中。しかしシンガポールでは流行りすたりが激しく、今まで人気だったものがすぐに忘れ去られたりするそうです。

教民族のお祭りと、国民総勢で大騒ぎ!シンガポール・ナショナルデイ

さまざまな民族が暮らすシンガポールには、それぞれの民族に固有のお祭りがあります。重要なお祭りでは、夜にライトアップが行われ、みんなが楽しんでいます。
中国系だと、旧正月を祝うほか、中秋にミッドオータムフェスティバルを行います。マレー系だとハリラヤ・プアサといって、断食明けを祝います。このときはゲイランセライという通りがライトアップされます。インド系はディパバリというお祭りがあり、リトルインディア地域をライトアップ。中国系なら十二支、インド系ならゾウやクジャクをかたどった装飾などで、それぞれのお祭りを彩ります。
また、クリスマスには大通り「オーチャードロード」が見事にライトアップされることで有名です。車で通る人がみんなゆっくり見たがるので、道路がすごい渋滞になったりすることもしばしばです。

国としての最大のイベントは、8月9日のナショナルデー(独立記念日)。全国民が盛大にお祝いします。ナショナルデーに行われるパレードでは、軍事パレードや航空ショー、花火も行われ、オリンピックの開会式のような賑わいとなります。参加する人も旗を振ったり光を発したり。毎年ナショナルデー・ソングも作られ、シンガポールの歌手が歌います。過去のナショナルデー・ソングの中にはシンガポール国民に深く根付き、心の歌になったものもあります。

シンガポールから見た日本 テレビ番組も人気!?

シンガポールにとって、日本は近年、文化・経済的交流が多く、身近な国だとみられています。
特に、文化的な側面での影響が大きく、たとえば日本食はシンガポール人にとっては海外文化というよりも、生活にすっかり溶け込んで馴染んだものとして捉えられています。ラーメン店も50軒以上あるそうです。
また、長い期間、日本の企業が「ジャパン・アワー」というテレビ番組を放映していて、日本の事情を伝えています。これは日本語で放映され、英語の字幕がついているもので、特に日本の旅番組は人気があるとか。温泉や、旅館で出される料理を日本のタレントさんが楽しんでいる様子を見て、シンガポールの方も日本旅行に行きたくなるのでしょうか。
日本は、旅行先としても人気抜群! シンガポールから見ると、日本より遠い国になると、ちょっと足を延ばすには遠すぎる、という感覚があるようです。

日本人にもっと知ってほしいシンガポール

シンガポールは経済発展が著しく、観光する場所もたくさんあります。
そんな印象が先行して、非常に物価が高いというイメージが日本のみなさんの中にあるかもしれません。
でも、シンガポールって、もちろんそんな一言で語れる国ではありません。
民族にしてもさまざまな文化を持っています。これがシンガポールだ、と単純に割り切れない、多民族性こそがシンガポールなんですね。
物価が高いものもあれば、安くご飯を食べられる場所もある。
母語もばらばら。でも他の言語の言葉だって会話でみんな使ってしまう。
単純ではない、多様な側面を持つシンガポール。色んな人が、うまくやっていこうとして暮らしている国。
あなたも、もっともっとシンガポールに足を運んでみませんか。

◆ シンガポール共和国 概要

国名 シンガポール共和国
首都 シンガポール(国全体が一つの都市)
面積 716平方キロメートル
人口 約561万人
民族 中華系74%、マレー系13%、インド系9%
言語 国語はマレー語。公用語として英語、中国語、マレー語、タミール語があるが、公的な場では英語が使われる。
気候 熱帯海洋性気候で湿度が高く、年間平均気温は24~27度。季節による変化はほとんどないが、5月から8月が雨が少なくて暑い時期。
時差 日本との時差は-1時間
通貨 シンガポール・ドル
物価 日本よりおおむね高いが、安いものもある。

◆ 国旗

赤は人々の平等と融和、白は純血と美徳を表わし、三日月は隆盛する若い国家を、5つの星は自由、平和、進歩、正義、及び平等の理念を表しています。

◆ 連絡先

TEL.03-6269-9900
〒100-6314 東京都千代田区丸の内2-4-1 丸の内ビルディング1407
国際グループ日本支局マネージャー 吉田明子

◆ 企業・団体のみなさま

登場したマスコットキャラクターの「マーラちゃん」をPR・販促・イメージキャラクターとして使ってみませんか?
使用料の一部は育英資金としてシンガポール共和国に寄付されます。

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