【サクセスに学ぶ】 目指すは毎日新聞の正式キャラクター「なるほドリ」

サクセスに学ぶ

かつて活躍した伝書鳩が心のヒーロー!

山科氏 「なるほドリ」が尊敬するトリは伝書鳩です。伝書鳩は、現在のように電話やインターネットがない頃、また、電話があってもすごく珍しかった時代、新聞記者たちは取材現場から原稿や写真フィルムを、本社の屋上にまで伝書鳩で運んでいました。当時は、取材現場に鳩を2羽、3羽持って行き、原稿や写真のネガを足輪に付けて飛ばしていたのです。でも時々違う新聞社に行ったり、食べられたりしたこともありました。
毎日新聞では1965年、東京オリンピックの翌年まで伝書鳩が活躍していました。鳩の飼育部署(鳩係)もありました。「なるほドリ」にとって伝書鳩が心のヒーローという設定は、日本の新聞の歴史的な事実を伝えたいためです。
「なるほドリ」は、読者に「教えてやるよ」という高飛車な姿勢ではなく、読者と共に、読者の代表として質問する、「先生、教えてください!」という毎日新聞の姿勢を示しています。
ツイッター上でも、さまざまな「なるほドリ」がつぶやいていますが、しゃべり方は使う部によって異なります。特に、しゃべり方が決められているわけではありません。時には、やさしい「なるほドリ」もいるし、難しいことを話す「なるほドリ」もいます。

読者からの質問から生まれたプロフィール

山科氏 キャラクターの色ですが、黄色にすることは社内のデザイナーが考えました。小さいキャラクターですので、紙面の中で目立つ色にしようと考えたのです。
「なるほドリ」は難しいニュースをやさしく伝えるのがそもそもの使命ですから、中学2年生のような子どもの鳥の立場で世の中を眺めています。
子どもであれば、突拍子もない質問をしても大丈夫ですしね。「今さら聞けない質問」と同じ趣旨です。
小出氏 「なるほドリ」のポーズは、初めは単純なものでしたが、人気が出ると色んなポーズをした「なるほドリ」が登場するようになりました。そもそもがシンプルなデザインなので、何でも付け加えられますし逆に外せもします。そうした点も社内デザイナーが意識してつくりました。
山科氏 「なるほドリ」のプロフィールが決まったのは、誕生からかなり遅れて2013年のことです。きっかけとなったのは北海道でのイベントでのこと。「なるほドリ」のぬいぐるみが登場した時です。お客様からの質問コーナーで、「なるほドリ」への質問をたくさんいただきました。「なぜ足が黒いの?」「好きな食べ物はなに?」など。実はそれまではそこまで深く考えたことがなく、改めて関係者で考えることになったのです。
プロフィールに「紅茶が好き」とありますが、それは、このキャラクターを創った社内デザイナーが紅茶が好きだからです。このように、プロフィールにはデザイナーの好みも入っています。

紙面で目立ちすぎてはダメ、和んでいただきたい

山科氏 「なるほドリ」は紙面に掲載するためにつくりましたが目立ち過ぎてはだめです。日本語で言うところの「はしやすめ」というか、キャラクターを見てふと和んでいただければいいかなというのが最大の目的です。
小出氏 「なるほドリ」の年齢が中学2年生という設定です。ですから「なるほドリ」が登場する「質問なるほドリ」コーナーでは、記事中の中学2年生には難しいと思われる漢字にはルビをふるようにしています。そうしたこともあって、他の記事よりもルビが多くなっています。
山科氏 前述のように「なるほドリ」はぬいぐるみ、着ぐるみをつくって、それをイベントに登場させています。実物はけっこう大きく、小柄な男性か大柄な女性が入るとちょうどいいぐらいです。ぬいぐる見ると子どもは大喜び。間違いなく寄ってきます。そんな人気の「なるほドリ」ですから、ツイッターでも色々話題を発信。ラインのスタンプも2015年5月から販売を開始しました。それから、毎月1回「質問、なるほドリ」に掲載された記事を集めて、「月刊なるほドリ」として読者に送っています。大人の読者にも好評です。
「なるほドリ」は会社の正式なキャラクターではありませんが、正式なキャラクターになろうと努力はしています。

リオ五輪でも活躍した「なるほドリ」!

山科氏 最近は社会環境で複雑さが増したためか、新聞記事も内容が難解になる傾向にあります。若い人の中には新聞を「読まない」人も多いようです。だからこそ私たちが、情報を、よりわかりやすく伝えていかなければならない時代でもあるのです。
「質問!なるほドリ」を書くことは、記者にとっても「分かりやすく書く」ことへの絶好の意識付けになっています。そんな紙面では、たとえば、悲しい話や深刻な記事に使う場合は、笑顔でひょうきんな「なるほドリ」ではなく、まじめな表情の「なるほドリ」を掲載するようにしています。
かつて、リオ五輪では「なるほドリ」のピンバッジもつくって持って行きました。各国の新聞社や協賛企業は自社のピンバッジをつくって、交換し合うのが習わしとなっています。毎日新聞はこれまでつくっていなかったので、リオ五輪を契機につくりました。このピンバッジ、一般の方にも販売しています。

販売店でのイベントなどにも登場!

山科氏 「なるほドリ」は、毎日新聞の紙面を親しみやすいものにしてくれています。また、新聞紙面のほかにも、毎日新聞が発行する印刷物にも登場することがあります。それから、チラシにも載っていることがあります。
こうたこともあって、毎日新聞の「気さくな新聞社」「やさしい新聞社」というブランドイメージをアピールする上で「なるほドリ」は不可欠の存在になりつつあります。
小出氏 そういえば、販売店のイベントに出かけるなど、最近では着ぐるみがイベントに出かける回数も増えてきました。
山科氏 紙面もwebも、私たちにとっては情報を伝えるツールです。「人にやさしい新聞」、毎日新聞のコンセプトを伝える上で、「なるほドリ」は素敵なツールだと思っています。
毎日新聞は非常に気さくな新聞です。最近、読者アンケートを行いましたが、「毎日新聞のイメージは」という問いには、「やさしい」、「柔らかい」という回答が多く寄せられました。そんな毎日新聞を象徴する「なるほドリ」は親しみやすいシンボルのひとつです。

活躍の場が広がる「なるほドリ」にエール!

山科氏 現在、東京本社のデザイン室で100羽ぐらいの「なるほドリ」のデザインを保管しています。公式キャラクターでもなく、まだ使い方について社内で議論したわけでもないのですが、個人的な希望としては、もっともっと羽ばたいて、地域版の「質問コーナー」などでも、数多くの「なるほドリ」に活躍してもらいたいと考えています。
「なるほドリ」は、いつまでも中学校2年生ですが、私たちは、これからも中学校2年生でも分かるように、やさしく記事を書き続けていきます。近い将来、毎日新聞のホームページにも「なるほドリ」の特設コーナーを設けようと考えています。ご期待ください。

ピックアップ記事

関連記事一覧

Translate »