業務用厨房機器タニコーのキャラクター‟ターニー”に学ぶ

サクセスに学ぶ

飲食店をはじめ、学校や病院、家庭まで幅広く厨房機器を展開するタニコー株式会社の公式キャラクター「ターニー」。歌って踊れる料理アイドルを目指しているコック帽の妖精「ターニー」について、営業戦略室企画宣伝課の中澤氏に伺いました。

1946年、東京・目黒に、建築板金・塗装業を営む谷口商店が開業されたのが、タニコー株式会社の始まりです。開業から18年後、業務用厨房機器の製造及び販売を目的として谷口工業株式会社を改組設立。5年後の1969年、中華ゆで麺機TU-1を開発・発売されました。そして、6年後の1971年、国産初継目の無いステンレス天板としたガスレンジ・ガステーブルを発売。1980年からは、電熱機器の製造・販売を開始します。1989年には、国産初フランス料理店向けの加熱機器を集合一体構造とした専用レンジを発売。1996年に食器篭ごと洗浄機を開発。2年後の1998年に内部炎口バーナー搭載機器を開発し(社)日本ガス協会技術大賞を受賞します。同年に東京都品川区に新本社ビル開設し、2000年に商号をタニコー株式会社に変更しました。2008年からは、家庭用高級システムキッチンも展開しています。2017年にはタニコーが扱うドイツの「WACHTEL(バハテル)」社製ベーカリーオーブンが設置されているTany Bakery Cafeがオープン。

 【ターニー誕生背景】

~ ターニー誕生のきっかけ ~

ターニーのマスコットとしての誕生は20年以上前です。会社の特徴を打ち出すきっかけ作りや企業アピールの役割を果たせるマスコットを作ろうという事で、社内公募が始まりました。設計部門の方が発案と開発を手がけ、初めのうちは、社内で知っている人だけが活用するというゆるやかなスタートでした。この時点では固有名詞が無く、社内では色々な愛称で呼ばれていたそうです。2014年に、このマスコットの本格運用が決定。この時に、親しみやすい名前と性格を付けようという事で2回目の社内公募を実施。初めてターニーという名前と人格を持ちました。

©️タニコー

【ターニーの役割】

企業ブランドの確立を目指すことがターニーの役割です。まずは多くの人にターニーを知ってもらい、それからタニコーを知ってもらう。そんな流れを目指しています。企業向けの商材を取り扱う中で、家庭向けのオーダーキッチンの取り扱いもスタート。そんな流れから、一般の方にも知ってもらう認知拡大のきっかけ作りに、ターニーは一役買っています。「堅くみられがちな会社なので、親しみやすく柔らかいイメージをターニーで作ってます。また、ターニーは衛生管理の周知冊子などにも登場しています。堅くなりがちな説明の内容を、ターニーが入ることで柔らかくしたいと考えています。」と中澤氏。

【ターニーの活動】

~情報発信編~

公式サイトの中に、ターニーのオフィシャルページがあり、その中はターニー情報が満載です。サイトに流入するよう、コンテンツ開発も考えているそうです。

©️タニコー

カレントニュースという1997年からスタートしている、年に2回、2月と9月に発行される社外向けの広報誌があります。実績のある取引先に、食のトレンドや現在の問題への取り組みなどを取材し、発信。ショールームや各営業所に置いてあり、気軽に手に取ってもらえるツールですが、ターニーはここにもちらりと登場しています。

©️タニコー

カレントニュースや、紹介チラシの中などに登場したり、ターニーがチラリといることで社内外的にも好評なんだそうです。

©️タニコー

~イベント編~

リアルイベントでもターニーに会うことができます。会社の顔に育っているターニーは、イベントに出ると、老若男女問わずに声をかけられ、人気なんだとか。

~展示会~

HOTERES JAPAN、フード・ケータリングショー(CATEREX JAPAN)、厨房設備機器展(JAPAN FOOD SERVICE EQUIPMENT SHOW)の3展合同開催で行う、厨房機器では最大規模の展示会「HCJ2019」。着ぐるみのターニーと合わせて、ブース装飾などにも登場しました。タニコーブースでは、《ロボットアーム × HATAKE 神保佳永シェフ》のコーナーでロボットアームがハンバーガーを調理する間にHATAKE 神保シェフが手長海老のパスタを調理。さらに、製菓専門学校の生徒さんにより学内でも使用しているベーカリーオーブン《Vesta》でシュークリームの実演調理が行われ、多いに盛り上がりました。

©️タニコー

~地域での触れ合い~

「FMSセンター」が2019年に福井県で開設。このFMSセンターは夜間無人運転を含む24時間体制でステンレスの加工を行える生産拠点で、この開設を記念して「FMSセンター開設披露祭」開催されました。もちろんターニーも駆けつけ、イベントを盛りあげました。当日限定で一般公開したFMSセンターの工場見学には200名を超える見学者が参加。オープニングセレモニーでは、杉本福井県知事、石山大野市長をはじめ地元名士の方とともにテープカットが行われました。特設会場では、自動調理機器で作る料理と、スタッフ手作りのオードブルなどが来場者をおもてなし。コンビニエンスストア向けオートリフトフライヤー、ラーメンチェーン店向け回転炒め機、《ロボットアームが調理する》自動回転たこ焼き器などが設置されました。中でもロボットアームがたこ焼きを焼く様子が人気でした。このロボットアームは、ハウステンボスでも見ることができます。

©️タニコー

~コンテンツ編~

2020年7月~2020年9月東北・岡山・高松で放送されたターニーのクイズCMが放送されました。現在は地方のお客様にタニコーを知ってもらうことを目指し、定期的に地域を変えてCMが放送されています。

ターニーの公式ページに、新しい仲間が登場しました。現在は、壁紙で展開されています。ターニーの世界観も広がっています。

©️タニコー

©️タニコー

©️タニコー

©️タニコー

~グッズ編~

ターニーグッズは展示会などのノベルティで配られることが多いです。一部、ターニーカフェで販売しているものもありますが、展示会配布を目的として開発されています。エコバック、缶バッジ、シールや、ぬいぐるみなど、2015年から、さまざまなグッズが展開されています。最近では、野球の応援観戦グッズのような音が出るものが好評でした。

©️タニコー

©️タニコー

【ブランド認知を保つためにしている施策と差別化】

ターニーの口癖やキャラの設定、性格などがブレないよう、上がってきたものにチェック担当を立て、必ず確認しています。キャラクターとして親しんでもらえるような、見せ方を心掛けています。例えば、製品の説明をターニーにさせないなど、企業色は出来るだけ出さないようにしているそうです。また、年度別のターニーイラストをデザインし、ターニーをメインにしたタニコーのカレンダーを社内外に配布しています。あえて何の会社かわからないようにしているカレンダーだそうですが、取引先には来年のターニーを楽しみにしているファンの方も多いようです。

©️タニコー

【ターニーと、ゆるキャラ®グランプリ】

ターニーがゆるキャラ®︎グランプリに初エントリーしたのは2016年。せっかく正式な名前もついたことだし、認知向上に向けたお披露目の場として出場したのだとか。参加したおかげで、ファンの方にターニーが好きなバンジージャンプの絵などを描いた年賀状ももらえるように。2020の順位は11位。沢山のキャラクターがいるなかでかなり上位の結果でした。事前にチラシを作って、社外へ告知。社員から取引先に渡すことで、アイスブレイクで使ってもらうようになっていったんだとか。そんな流れもあって、打ち合わせの中でもターニーの話題が出るようになったそうです。社内の共通の話題としても上がるようになり、一般の方と触れ合う機会と、社内モチベーションが上がったことが、ゆるキャラ®︎グランプリに出場してよかったことだったようです。

©️タニコー

*ゆるキャラ®という文字は、みうらじゅん氏の著作物であるとともに扶桑社、及びみうらじゅん氏の所有する商標です。

【ターニーが誕生し、どんな変化がありました?】

堅い会社のイメージだったようですが、ターニーが会社の伝達者となることでそのイメージを和らげてくれたようです。また、社内での活動やイベントもターニーが参加することで社員間の共通の話題になり、インナーコミュニケーションがかなり向上したんだとか。チラシも商品メインだったものに、ターニーが入ることにより親しみやすさが増したそうです。

【今後の展望】

「業界のキャラクターや地域のキャラクターなどのコラボーションや、外に出ていくイベントなど、積極的に参加していきたいです。長く活動する中で、ターニーの輪を広げていければ。」と中澤氏。昨年は、ロシアからターニーへの取材申し込みがあったそうで、国際的にも展開していければと思われているようです。それにしても、ロシアからターニーの取材依頼とはすごいですね。ロシアとは特に取引があるわけでもないとのことなので、ロシアの記者がターニーを見つけてラブコールしたようです。

【ターニーが目印の大崎のカフェ】

©️タニコー

今回取材させていただいたTany Bakery Cafe。ここは実際にカフェとして運営するテストキッチンなんです。実際の製品と一緒に空間も使えます。カフェオープン予定している方やカフェオーナー志望の方などに、トレーニング用に場所を提供しているなんて素敵な試みですね。また、タニコーの新商品などをカフェに設置し、テストマーケティングとしても利用しているカフェ。ここでは、ドイツの「WACHTEL(バハテル)」社製のベーカリーオーブンで焼き上げるパンがお勧めです。

©️タニコー

©️タニコー

一般の方向けにベーカリーをプロデュースする方を講師に迎え、セミナーやドイツパンを作るワークショップも開催されています。そしてこのカフェ、実は”私の家政婦ナギサさん”のロケ地でもあるんです。このドラマ以外にも撮影ロケ地として使われているんだとか。ドラマや定業番組などの撮影での利用にも対応しているそうです。

【住所】

東京都品川区大崎1-2-2 アートヴィレッジ大崎 2F

営業時間 : 10:00~16:00
定休日 : 土、日、祝
TEL:03-6417-0360

【仲良しキャラクターを教えてください。誰に友達の輪バトンを繋ぎますか?】

ゆるキャラ®︎グランプリにも出場していた、同じ品川区で活動するシナガワンと仲良しのターニー。ターニーからはシナガワンにバトンをつなぎます。

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記事:キャラクター事業部 釜澤 直恵

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