レソトンが教える、レソト王国!天空の天国と言われるアフリカの国をご紹介。
国旗の中央にはバソト人の帽子が象徴として描かれている。青は空と雨、白は平和、緑は豊かな国土と反映を表わす。
国王レツィエ3世
レソト王国は、その名が示すとおり立憲君主制の国だ。現在の国王はレツィエ3世、40代と非常に若く、フェイスブックをやられているとの噂もある。
国民は極めて勤勉、国民の約98%がクリスチャンだ。朝8時頃になると政府の機関も動き出す。あとは、ほぼ日本と同じ勤務形態だ。夕方になり、仕事が終わると家に帰って家族と食事をしたり、レストランでディナーを楽しんだりする。金曜日にはホテルのバーやディスコなどがにぎわう。街自体はきれいでゴミが落ちていたり、浮浪者がいたりとかは無い。
教育は日本と同じ6・3・3・4制、小学校は教育費は国家が負担。教育レベルは高い。男性の識字率は約86%、女性は約93%に達する。
日曜日には教会に行く人が多い。休日はピクニックが人気。レソト王国は自然が豊富で首都が1800mの高地にあるほか、山の方に行くと、2000m級のところにたくさんのリゾート地がある。近代的なホテルは無く、あるのはロッジばかりだ。
レソト王国では1年のうち約300日が晴天でほとんど雨が降らない、だから湿気もほとんどないし蚊もいない、だからマラリアの心配も一切無い。というわけで予防注射の必要も無い。ただし、キリンやゾウなどの野生動物はいない。一般のアフリカのイメージからはかけ離れたところだ。
レソト王国での正装は独特の形をした帽子をかぶり、毛布を身にまとうというもの。これは男女とも同じ。毛布のデザインは色々。日本でいう家紋のようなものをデザインしたものもある。毛布の下はスーツだったりシャツだったりといろいろだ。
若者の流行やファッションは、南アフリカ共和国からのテレビ放送などのメディを通して入ってくる。テレビは英語やソト語でやっている。関心が高いものは携帯電話やサッカー。それから、公共交通機関が少ないのでクルマ。それも日本車への関心が高い。
首都マセルにもショッピングセンターはあるが、ちょっと高価なものを買う時は、国境の検問所を越えて南アフリカ共和国のブルームフォンテーンに行くことが多い。ブルームフォンテーンはサッカーの対カメルーン戦が行われたところ。マセルからは約1時間の距離だ。
レソト王国は水が新鮮でおいしい。主食はトウモロコシと小麦で米は食べない。肉は鳥と牛がメイン。オックステイルシチューといって、日本でいうステーキに近いものが有名。あとティボーンなどがおいしい。鳥や牛は放牧をし、薬品もあまり使わず、国内で生産されたものだ。
味付けは、おだやかな気候のせいか、極端な辛さとかスッパさが無いので、日本人にもピッタリ。他のアフリカの国とはまったく違う。一つ難をいえば魚が無いこと。この国には魚の食文化が無い。ということもあってか、日本食を食べられるところは無い。
決して豊かではない生活だが、レソトの人は自分で作物や肉をつくって食べる。それは水があるからできること。人口は200万人程度、それが四国の1.6倍程度のところにいる。密度もゆったり、自然と共存している国だ。
日本との関係はそんなに深くない。日本からの支援はあるが、専門家を送ったりといった協定はこれまで無かった。それが2012年にはできる。そうなると、農業支援などで、今後関係は深まるはず。望まれるのは、日本とレソト王国との人的資源の交流と育成だ。
レソト王国には、これと言った大きな産業が無い。だから、男性はほとんどが南アフリカ共和国に出稼ぎに行く。そのため、国内に男性が少ないから産業が発展しないのだ。つまり、国内に就労の場が出来れば、こうした問題は解決するわけで日本企業の進出が待たれている。
レソト王国は縫製業が非常に盛ん。中国はすでにレソト王国に進出しているが、それは、政治が安定していて、英語が話せ、勤勉で規律正しく手先が器用。しかも、競争力のある賃金水準で労働力を確保できるからだ。
レソトの人は日本人と似ている。目上の人にも礼をつくすし、言葉もローマ字読みをするから親近感もわく。水を「ミズ」といったり、森のことを「モリ」という。偶然だろうが、穏やかで勤勉なレソトの人たちからは、戦前の日本の昭和初期の日本の感じすらする。