長く使える企業キャラクターの秘訣は何?『パルコアラ?!』生みの親、クリエティブ・アートディレクター小杉幸一氏に聞く!!

キャラクリエーターに聞く

広告界隈ではよくAD(アートディレクター)、CD(クリエイティブディレクター)というワードをよく耳にしますが、実際にはどの様な仕事なのでしょう。第一線で走り続ける株式会社onehappy代表取締役の小杉幸一氏に博報堂時代に手がけたPARCO、Google、デジタルアートフェスティバル、資生堂の仕事についてや仕事に対する意識、学生時代についてなど、気になるあれこれを取材しました。マーケティングに沿ったヴィジュアル概念など、マーケティングに携わる方はもちろん、これからビジュアルクリエーターを目指す方も必読です。

 

【2008〜2019 PARCO『パルコアラ?!』について】

小杉氏の仕事を語る上で欠かせないのがPARCOのキャラクター、『パルコアラ?!』。今ではPARCOの顔となるこのキャラクターがどのようにして誕生したのか、クリエーターの視点をさぐります。

2008年に誕生してから10年以上『パルコアラ?!』に携わってきた、小杉氏ですが意外にも、最初は競合の立場から参入してのスタートでした。”パルコグランドバザールをどういうビジュアルにするか”というお題の元に、小杉氏(当時の博報堂チーム)とPARCOの関係が始まります。

【小杉氏】「PARCOをはじめとするファッションビルのバザール広告は、僕が学生の時からカルチャーとしても楽しみだったり、この次誰が作るのかなど、いろんな意味で注目の的でした」

当時PARCOは、いつもセンセーショナルなCMを打ち出し、映画などのトピックも海外からいち早く掴むなど、カルチャーを牽引している存在で、PARCO=ファッションの最先端でした。そんなPARCOだからこそ、”次のバザール広告は誰が作るのか”それが注目されるのも納得です。

【小杉氏】「ただ、一方ではその注目はクリエーター視点・業界視点というところも強かったです」

誰がどんなふうに作るかを模索していたときに、”みんなが自分ごとにできるブランディング”というテーマがテーブルに乗ります。

”このテーマを考えたときに、毎回クリエーターが変わる意味があるのか?”ここから小杉氏のビジュアルに対する思考が動き出し、1つのルールのもとバザールをもっと明解にする方向で話は進んでいきます。その背景には、”生活者にこのシーズンがやってきたと気付いてもらうこと”を、パルコグランドバザールという言葉だけではなく、バザール自体をコミュニケーションとして捉える思考がありました。

【小杉氏】「バザールは一番、間口を広げなければいけない存在(キャンペーン)。そんな”バザールを人格化すること”を主軸に置いて、リサーチをしていくと”カッコいいPARCO”だけじゃない面が見えてきます。広告やCMではずっと”カッコいい”を打ち出していたPARCOですが、店頭を見れば、文房具やカフェなど、親しみやすくいろいろな商品があり、ヴィジュアルと現場(店頭)のイメージに”かいり”があることを発見しました。なので、”かっこいいグランバザール”。だけじゃなくて、”色々あるよ”もちゃんと伝えることに注目しました」

そんな中でチームのコピーライターが『パルコ。アラ?!』というキャッチフレーズを打ち出します。PARCOは商品が豊富なので、行くといろいろな発見がある。そんな発見を「あら?!」というフレーズで表現。そんな言葉をピックアップしているうちに、『パルコアラ?!』というワードに行き着きます。”①一つのルールという考え方 ②長く使える(使い勝手が良い)フレーム ③親しみやすさ が、重なり合いここでやっと、グランバザールの人格を体現するキャラクターとして、コアラの姿をした『パルコアラ?!』が誕生します。このグランバザール人格=『パルコアラ?!』をブランディングしていくことで、『パルコアラ?!』は今や、PARCOの顔になったと言っても過言ではありません。

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