亀田製菓「ハッピーターン」マスコットキャラクター・ターン王子に学ぶ

サクセスに学ぶ

1957年の設立以来、「亀田の柿の種」「ハッピーターン」「ぽたぽた焼」など数多くのロングセラーブランドを生み出してきた亀田製菓株式会社(以下、亀田製菓)。

今回は、1976年に発売が開始され、2021年には45周年を迎えたロングセラーブランド「ハッピーターン」のマスコットキャラクター「ターン王子」について、広報の池ノ上さんに伺いました。

取材後に、社員でもなかなかお目にかかれないターン王子も駆けつけてくれました!

ターン王子の活躍、お客様参加型の企画、そして亀田製菓の目標など盛りだくさんです。

 

 

 

<目次>(※クリックするとその段落へ移動します)
ターン王子について
Twitterでも大人気!SNSを活用したターン王子のハッピー発信
お客様が選ぶ新しい味。参加型企画の実施
コロナ禍でのターン王子の活動
ブランドのファン拡大に向けたグッズ展開
あまじょっぱい味を土台に。全世代に愛される米菓
100年以上愛されるブランドを目指して
【友達の輪バトン】次は“うえたん”

 

ターン王子について


ターン王子(本名:プリンス・ハッピー・ターン・パウダリッチ)は2009年、「パウダーポケット」の溝の数をさらに増やしたハッピーターンリニューアルをきっかけに誕生しました。
ハッピーターンという商品名には「幸せ(ハッピー)がお客様に戻って来る(ターン)ように」という願いが込められています。キャラクター設定においても、幸せを感じてもらえるように、末広がりで縁起の良い8の数との語呂合わせが採用されています。

ターン王子は誕生以来、イベント・店頭での販促物・ノベルティ・キャンペーングッズなどに幅広く登場し、ハッピーターンとお客様の新しい接点を生み出すための大切な役割を担っています。

デザイン面でも、初登場した2009年から進化を続けています。たとえば、目にハイライトが入り、黒い輪郭線がなくなり、体の大きさも少し小柄になりました。商品同様に、消費者や時代の変化に対応し、進化し続けています。

 

Twitterでも大人気!SNSを活用したターン王子のハッピー発信


ハッピーターンのSNS発信はTwitterがメインです。ハッピーターン公式Twitterアカウントは、「亀田製菓公式」「亀田の柿の種」と並ぶメインアカウントの一つで、ターン王子からフォロワーにちょっとだけ Happy を感じてもらえるようなメッセージも投稿しています。

「幸せ・ハッピー」をキーワードに、日常の中にある「幸せ」に気付いて、もっともっと「幸せ」を感じてもらえるようツイートし、フォロワーとのコミュニケーションを取っています。

 

《ツイートの中から、生まれた逸話》

コロナ禍当初、誰かが「ハッピーターンはオイルショックの時期に幸せを届けるために生まれた」とツイート。そのツイートがバズり、ハッピーターンが取材を受けるまでの大きな反響を呼びました。

また、ハッピーターンの包装紙約4,000枚を使い、美大生が作ったドレスもTwitterで話題になりました。一般的にはゴミとして扱われる包装紙ですが、豪華なドレスに変貌を遂げたことで「幸服(こうふく)」というタイトルとともに新たな魅力が発信されました。

「このようにTwitterでの交流を通じて、まだ食べたことない、年に一回しか食べないという人に『ハッピーターンを食べてみよう』と自然に感じてもらい、ひいてはお客様にブランドに触れてもらう機会の創出に繋がっています」と池ノ上さんは言います。

それ以外にも、RT機能などで拡散性に強みを持つTwitterの特長を生かし、投稿内容は新商品、店舗と連動したキャンペーンを告知しています。Twitterはグッズ展開やキャンペーン企画と並び、今後の新たなファン層を開拓するためのユーザーやフォロワーとの大切なコミュニケーション手段になっています。

 

《コロナ禍で実施したツイートキャンペーン》

「Happy Movie Project」は、コロナ禍で大変な時代だからこそ、「皆さんが抱く幸せとは何なのか?」を募集した、2021年のTwitterとInstagramで行われたSNSキャンペーンです。

そして、応募されてきたコトバ・写真・動画を一つにまとめ「ハッピーターン45周年 WEB CM」として公開。しかもCMの楽曲には、ミュージシャンの藤巻亮太氏が提供した音楽が使用されています。

この企画が実施された時の想いを、池ノ上さんは次のように振り返ります。

「こんな時代だからこそ、ハッピーという単語、コンセプトに沿って皆さんの心の中に『幸せ』を届けたいという想いで実施しました。自分にとっての『幸せ』をSNSで発信すること、その自分の投稿が動画になることが投稿者自身にとっての『幸せ』につながります。そして、その動画を見た別の人もほっこりした『幸せ』を感じられると。動画にすることで、より多くの方に『幸せ』を届けられたと考えています。また、45周年を迎えたアニバーサリーイヤーのタイミングで、日本中を少しでも盛り上げられればなという想いもありました」

 

お客様が選ぶ新しい味。参加型企画の実施


2021年8月、ハッピーターンの45周年を記念して、Twitter・LINE・ハガキのいずれかの方法で応募ができる「みんなで選ぶ、どの味ハッピー!? プロジェクト」が企画、実施されました。

「あなたの一票がハッピーターンの運命を変えるかも?」と称し、ハッピーな3つの立候補フレーバー「至福のチーズ味」「ごきげんわさびマヨ味」「しあわせの塩キャラメル味」の中から、投票1位のフレーバーを期間限定で発売する消費者参加型のキャンペーンです。

自分の選んだ味が商品化されるかも…というワクワク感や、より多くのお客様にハッピーと喜びを届けたいという想いが込められています。

どれが1位になるかは担当者ですら全く読めませんでしたが、社内での好きな味の傾向は、わさびマヨ味は男性社員、しあわせ塩キャラメルは女性社員、チーズ味は万人受けという具合に、まさしく三つ巴の状態でした。

同キャンペーンは予想以上の投票数が集まり、投票総数はなんと9万1,595。「至福のチーズ味」が見事1位に輝きました。そしてお客様の声から選ばれた「至福のチーズ味」を、2022年1月24日から期間限定で発売しました。

©亀田製菓 (※販売期間:2022年1月24日~2月末)

1位:至福のチーズ味 4万2,274票

2位:ごきげんわさびマヨ味 3万258票

3位:しあわせの塩キャラメル味1万9,063票

 

コロナ禍でのターン王子の活動


ハッピーターンは、お客様が楽しく感じるようなコンテンツが盛りだくさんです。

HPを見てみると「ハッピー王国」は工場見学、ハッピーターンの歴史、MOVIEライブラリーがすぐに楽しめるような起点となるページになっており、子どもや若年層を中心に家族で「ターン王子」の世界観を楽しむことができます。

©亀田製菓 参考元:ハッピーターン公式HP

HPからリンクする特設ページでは「マイハッピーターン」というハッピーターンにオリジナルの写真を載せられる企画も実施しています。

この企画は、思い出の品としてみんなで分け合ったり、遠方の方への贈り物として使われたりというニーズがあります。自分だけのオリジナルハッピーターンができるだけでなく、なかにはギフトとしてお孫さんの写真を載せておじいちゃんに贈るという方もいます。

「幸せをお届けする」という目的がハッピーターンのコンセプトとも一致しており、消費者が参加しやすい企画だといえます。

ハッピーターンでは、こうした「幸せ」をテーマにしたコンテンツの制作を積極的に行い、お客様、ひいては日本全体を幸せにしようと考えています。

 

ブランドのファン拡大に向けたグッズ展開


TwitterなどのSNSで大活躍のターン王子ですが、ブランドファンの拡大に向けて、どんなグッズを展開しているのかも見ていきましょう。

グッズ展開においては、発売45周年を記念し、東京駅一番街「東京おかしランド」にて、「ハッピーターン」一色のコンセプトショップ『ハッピーターンのハッピー王国』をオープン。期間限定ショップとして2021年6月2日から8月30日まで開催されました。

オープン当初は、「ハッピーターン」のあまじょっぱさと相性の良いきなこ味が融合した「揚げパン味ハッピーターン」や、「TOKYO限定 スモークハッピーターン」といったお菓子のみの販売でしたが、7月15日(木)からは、「ターン王子もちもちクッション」「ターン王子ポーチ付きエコバッグ」「ターン王子フレークシール」などのキャラクターグッズの追加販売を開始し、お店を活気づかせました。

©亀田製菓 亀田製菓ネットショップより

購入されるお客様は女性や子どもが多く、中には男性から女性へのプレゼントとして購入する方もいます。いかに見た目を可愛くするか、楽しい雰囲気を表現するかに重点を置きつつも機能性も追及しています。

例えば、「ターン王子もちもちクッション」に至っては、見た目のかわいさだけでなく、手触りや、弾力性にこだわりました。

上記のイベントは終了しましたが、亀田製菓ネットショップでも一部商品の購入が可能です。数量限定でなくなり次第終了しますので、気になる方はぜひお早めにお買い求めください。

 

あまじょっぱい味を土台に。全世代に愛される米菓


ハッピーターンは他の米菓商品と比較しても、幅広い年代のお客様に愛さている商品です。

一般的に米菓のコアな購入者層は50~60代が多いイメージですが、ハッピーターンは30~40代もボリュームゾーンになります。

幅広い層に人気がある理由の一つが、多岐にわたる商品展開です。

・通常版ハッピーターンのコア層:一般層がメイン
・ハッピーターン バターしょうゆ味:“期間限定”という言葉への関心度が高い層
・コンビニ限定販売・濃厚な味付けの「パウダー250%ハッピーターン」:学生のおやつや社会人男性のおつまみ

また百貨店などで販売している「ハッピーターンズ」は、家庭での家族のおやつとしてだけではなく、ギフトとしても活用されています。

©亀田製菓 Menu|HAPPY Turn’sより

このようにあまじょっぱい味の基本形は崩さぬまま、細かくターゲットのニーズに分けて様々な商品を生み出すことで幅広い層にリーチできていると考えます。

さらに、他の米菓商品よりも若いファンが多い理由を池ノ上さんは次のように分析しています。

「家の置き菓子として、親子が一緒に食べるようなシーンでハッピーターンは登場します。その後、お子さんが中学生、高校生と成長すると、自分でコンビニなどで購入して食べるようになります。その方たちが親となると、次は自分の子どもに買い与えるというサイクルで世代を超えて楽しんでいただいているのではないかと考えています」

ハッピーターンは昨年、塩分30%OFF の減塩ハッピーターンも登場しており、健康を気にする方でも罪悪感が少なく食べることができるようになりました。こうした様々なお客様のニーズへの配慮も、人気の理由の一つでしょう。ハッピーターンによって子どもからお年寄りまで幅広い方に幸せのサイクルが延々と続いていって欲しいと思います。

 

《幅広い層から愛される、ハッピーターンおいしさの秘密「パウダーポケット」とは?》

ターン王子の誕生のきっかけともなった「パウダーポケット」とは何なのでしょうか?

「パウダーポケット」とは、2005年に開発された美味しさの秘訣。おせんべいの表面に溝を入れることで、あまじょっぱいハッピーパウダーを付着しやすくし、よりハッピーな美味しさにする製法です。

また2015年には「新パウダーキャッチ製法」という、パウダーポケットをさらに大きくするリニューアルとなりました。

 

100年以上愛されるブランドを目指して


※東京オフィス4階エントランスにて、過去の商品パッケージに囲まれるターン王子

亀田製菓では、これからもお客様に「幸せ」をお届けしていきたいと考えています。

「ハッピーターンを、100年以上愛されるブランドにしていきたい」と語っていた池ノ上さん。

2021年に45周年を迎えたハッピーターン、そしてターン王子は今後もお客様と共に進化を続け「幸せ」をお客様に提供し続けることで、お客様にとっても、亀田製菓にとってもより大切な存在になっていくことでしょう。

 

【友達の輪バトン】次は“うえたん”


次回は、調剤薬局併設型ドラッグストアをチェーン展開するウエルシアグループの公式SNSキャラクターで、癒しの看板くまの『うえたん』にバトンをつなぎます。お楽しみに!

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キャラクター事業部:野村隆仁

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