ニチレイ『本格炒め炒飯®』が大好きな炒飯の妖精「イタメくん®」に学ぶ
Twitterフォロワー数39,000人!「ゆるキャラ®グランプリ」最高19位!19年連続売上No.1のニチレイの看板商品、『本格炒め炒飯®』応援キャラクター「イタメくん®」について、誕生背景から人気の秘密まで、株式会社ニチレイフーズ 広報グループ担当者に伺ってきました。
イタメくんが好きな『本格炒め炒飯®』は、2001年3月~2020年2月のインテージSRI(全国小売店パネル調査)の冷凍調理・炒飯カテゴリー販売金額(累計)で19年連続、売上No.1。こんな長い期間、TOPを独走するなんてすごいことですよね。
家庭では手作りできない圧倒的な「炒め」パワーで、ごはん一粒一粒に卵をまとわせているから、電子レンジでパラパラになるのがおいしさの秘訣。ていねいに作った自社製焼豚と、旨みの詰まった煮汁を、調味料として使うことで一体感のある味わいに仕上げています。自社製の焦がしネギ油を隠し味に使用し、中華料理店のプロの味を再現している、まさに商品名通りの『本格炒め炒飯®』です。そんな、看板商品を応援するために誕生した「イタメくん®」の誕生のきっかけから紐といていきます。
【「イタメくん®」誕生背景】
ー「イタメくん®」誕生のきっかけー
通常、商品PRはマーケティングから発信されるものが多いですが、広報の立場からも、生活者に身近な商品への親しみ度を上げていくことで「ニチレイ」のブランド力を向上させていきたいという考えのもと、広報の中でキャラクターが発案。2012年に「イタメくん®」は、誕生しました。発案当時、中高生の男子をターゲットとしたイタメンジャーや萌え系のイタメちゃんなどいろいろなキャラクター案があったそうですが、広い層に親しみを持ってもらうとことをポイントに考えたこと、ゆるキャラブームが盛り上がってきたことなどが要因になり、現在の「イタメくん®」となりました。
「イタメくん®」は主にTwitter上で活動しています。2012年7月には、フォロワー数3,000人突破を記念して、ニチレイフーズの公式サイトの中に「イタメくん®の部屋」がつくられました。「イタメくん®」の現在のTwitterフォロワー数は約40,000人!人気ぶりが伺えます。
【「イタメくん®」の役割】
『本格炒め炒飯®』の顔として、“親しみやすく商品を伝えるメッセンジャー”の役割をはたしています。そのため、「イタメくん®」のフォルムや世界観などは細部までしっかりと作り込みをされたそうです。誕生から8年を迎えた現在では、『本格炒め炒飯®』以外の様々な情報発信も行うようになってきています。このように、活動の場を広げていくにつれ、Twitterのフォロワー数も増え、企業の顔としての役割も担いつつあります。
【「イタメくん®」の活動】
ー情報発信編ー
「イタメくん®」の情報発信は、主にTwitterです。Twitterでは、生活者と「イタメくん®」の距離感の近いコミュニケーションを大切にしています。フォロワーとコミュニケーションを取りやすい様に、投げかけやコメントの返信を心がけています。「占って」とコメントすると占い結果を返信してくれる「占い」は、「イタメくん®」の得意技です。「イタメくん®」はフォロワーとコミュニケーションをしやすくするため、「占い」が得意になりました。この占いは、8年経った今でも人気のコンテンツです。
イタメくんには「むくり」「ちらり」とリズミカルで、印象に残りやすい口癖があります。また、よくコスプレをするのも「イタメくん®」の特徴。長くTwitterを運用するうちにコミュニケーションしやすいツールの一つとしてコスプレが活用されている様です。
ーイベント編ー
実物の「イタメくん®」には、スーパーなどでの試食会や、ニチレイフーズの地域交流イベントなどで会うことができます。昨年は、ニチレイ本社の1階で開催される『本格炒め炒飯®』の大試食会(8月8日の「チャーハンの日®」を盛り上げる試食会)や、築地本願寺の納涼会盆踊りに登場しており、「イタメくん®」は地域の方々にも愛されるキャラクターということがうかがえます。写真は、「チャーハンの日®」に開催された大試食会の模様です。
ーコンテンツ編ー
公式ホームページ内「イタメくん®の部屋」には8つのコンテンツがあります。「イタメくん®のちょい足しレシピ」ではTwitterで発信したレシピ情報を季節ごとにまとめています。
「イタメくん®の4コマ漫画」も人気です。ストーリーは広報で考えられたものもあるんだとか。
ーコンテンツ・withコロナ編ー
この「電子レンジを使うときのやくそく」は今年3月に公開しました。ふりがながふってあるので子供にも読みやすいコンテンツです。新型コロナウィルスの影響が強まってきた2020年3月頃に企画が立ち上がり、すぐさまオープン。親が家にいない時間や、リモート業務で手が話せないなど家庭でのシーンで、このコンテンツを読んだ子供が『本格炒め炒飯®』を1人でもレンジでチンして食べれる様が想像できます。
【ブランド認知を保つためにしている施策と差別化】
企業色が強くなる『本格炒め炒飯®』やニチレイのロゴなどはあえて付けずに、キャラクター自身に親しみを持ってもらうよう、工夫しています。Twitterも10年近く運営しています。企業でのTwitter運営が、10年なんてかなり早い時期から、導入さてれいますよね。”継続は力なり”でイタメくん宛に毎年、年賀状も届きます。1対1に近いコミュニケーションができるボリューム感で運営していることも、「イタメくん®」の人気につながっているかもしれませんね。明るく楽しく親しみやすく、そして長く続ける。ということを大切にすることで、ファンが自然に増えてきて、今では39,000のフォロワー数を誇るキャラクターに成長しています。
【「イタメくん®」と、ゆるキャラ®グランプリ】
「イタメくん®」はゆるキャラ®グランプリに2014年から毎年出場しています。初出場の年はブームが盛り上がっていた時期ではないでしょうか。グランプリ内で、直接投票ができる決選投票もちょうど、2014年に導入されています。そんな時流もあって出場したのがきっかけでした。社内でも“うちの「イタメくん®」も頑張っているな”という意識が広がっていき、社内外の資料への使用やグッズ展開などのリクエストも増え、徐々に「イタメくん®」が社内に浸透していくのを実感できたようです。Twitterでも多くのフォロワーが、投票の報告をくれました。そんな中で、今年が最後なのは、社内的には感慨深いという声も。
*ゆるキャラ®という文字は、みうらじゅん氏の著作物であるとともに扶桑社、及びみうらじゅん氏の所有する商標です。
【「イタメくん®」が誕生し、どんな変化がありました?】
一番大きな変化は「生活者と双方向でのコミュニケーションが始められたこと」とのこと。
次の大きな変化は、「社内の意識の変化」。「イタメくん®」が誕生した当時は、キャラクターとは無縁の社風だったようですが、「イタメくん®」と生活者のコミュニケーションなどを見て、社内での認知も年々高まり、「『本格炒め炒飯®』応援キャラクター」から、「ニチレイのキャラクター、象徴」として、徐々に自分ゴト化されていったようです。Twitterの活用では、テレビCMでは届かない層にイタメくんが媒体となりアプローチすることで、新しいファンを獲得していっています。また、イベントで直接生活者と触れ合うと、「イタメくん®」に対する生活者の反応が直接伝わってきます。
【今後の展望】
新型コロナウィルスの流行が収束した際には、リアルなイベントをしていきたい。アニメーション化などもやってみたい。他からのキャラクターオファーなどあれば、コラボも考えてみたい。という今後の展開に対しての構想も伺えました。
記事:キャラクター事業部 釜澤直恵