【Bリーグ】サンロッカーズ渋谷のマスコットキャラクター「サンディー」に学ぶ

サクセスに学ぶ

渋谷を拠点に活動するプロバスケットボールチーム・サンロッカーズ渋谷のサンディー。チームキャラクターとしての役割や誕生背景、その活動などを、事業統括部の皆さんに伺いました。

【サンディーの役割】

サンディーは、日本のプロバスケットボールリーグであるB.LEAGUE(Bリーグ)に所属する「サンロッカーズ渋谷」で、チームのエンターテインメントやPRを担うマスコットキャラクターです。攻守の入れ替わりが激しく、小さな流れの変化が勝敗を左右するバスケットボール。ファンの応援は、ハードな試合ほど選手の背中を後押しするものです。白熱するアリーナのなかで、ファンと選手を一つにする存在、それこそがサンディーなのです。

そんなサンディーの魅力は感情が豊かなこと。表情は変わりませんが、ジェスチャーやフリップに絵や文字を書くことで喜怒哀楽を表現し、ファンと気持ちを共有できます。例えば試合に負けたとき、サンディーが悔しがっている姿は、ファンの気持ちを代弁しているように見えて、発散できる方も多いようです。

サンディーは、サンロッカーズ渋谷で背番号36、ポジションはガードとしてチームに登録されています。ただのマスコットキャラクターの域を超え、ファンにとって深い親しみをもてる、チームの一員として欠かせない存在となっています。

【サンディー誕生背景】

ー誕生のきっかけー

サンディーの誕生は、日本バスケットボールリーグ(JBL)が生まれた2007年10月11日に誕生しました。当時、JBLは試合だけでなく、チームのエンタメ性も重要視されるようになりました。ここで一役買えるマスコットキャラクターとして、サンディーが生まれたのです。

©SUNROCKERS SHIBUYA

サンディーがチームの一員になったのには、サンロッカーズ渋谷のルーツと関係があります。同チームは元々、日立製作所の実業団バスケットボール部2チーム(日立本社、日立大阪)が前身。2000年にその両チームが統合され、発足したのが始まりです。当時、日立といえば「白くまくん」というエアコンのブランドイメージが強かったため、チームのマスコットも白くまになりました。

2015年、日本のプロバスケットボールリーグがJBLからB.LEAGUEへと移行してからは、実業団というイメージを払しょくし、チームカラーを強調する流れに変わっていきました。そのため、今では「サンディーがなぜ、白くまなのか」という逸話は、知る人ぞ知るストーリーとなっています。

【サンディーの活動】

ーSNS情報発信編ー

やんちゃで自由奔放なサンディーですが、実は自分自身でSNSを運営しています。インスタグラムでは試合でのパフォーマンス、季節やイベントで身にまとうコスチューム、これから食べるお弁当など、投稿される写真や動画は、サンディーの魅力で満載。タイムラインを追うごとに、サンディーのことを好きにならずにはいられません!

©SUNROCKERS SHIBUYA                   https://www.instagram.com/36sundy/?hl=ja

 

クラブ公式Twitterでもサンディーの日常を覗くことができます。下の投稿は選手たちに「サンディーより(ペコちゃんの方が)全然かわいい~」といじられて、いじけるサンディーの様子。

 

今回はそんなサンディーに、SNSの運営でフォロワーとのコミュニケーションで気をつけていることを直接聞いてみました!

「エゴサ(エゴサーチ)をかかさずにしていて、ぼくのことをつぶやいてくれている人へハートをおくっているよ!あと、フォローしくれたらかならずみんなにフォローバックしてる!」

サンディーは自分のことを考えてくれているファンを常に気にかけており、気付いたら必ずリアクションを取る。

おちゃめな性格ながら、その裏でファンとの距離感をとても大切する地道な努力をしているところが、サンディーが愛されている理由なのでしょう。

ーイベント編ー

試合でのパフォーマンスに注目が集まるサンディーですが、地域イベントにもよく参加しています。活動の中心は、チームのホームタウン・渋谷周辺が多いようです。

そこで、サンディーが試合会場や地域イベントなどの際、ファンと交流するときに気を付けていることを聞いてみました。

「いまはみんなとふれあえないから、みんなとめがあうようになげキッスしてる。ハグできなくても、ボクをみてるだけで元気になれるようなコトをいーっぱいするよ!☆」

サンディーはコロナ禍であっても、ファンへの愛情表現を忘れません。事業統括部の皆さんは、こうしたサンディーによるSNSでの発信や積極的なイベント・PR活動は、公式サイトへの流入にも大きく貢献しているため、感謝しているといいます。

 

2017年にTOKYO MXで放送されていたサンロッカーズ渋谷応援番組『S Rocks』では、サンディーもコーナーを持っていました。自分のコーナーを持ってしまうなんて、マスコットとしてのポテンシャルの高さに脱帽です!

©SUNROCKERS SHIBUYA

ーグッズ編ー

ライバルチームのファンにもサンディーグッズは大好評!サンディーなだけに、渋谷にあるブランドやショップとのつながりを大切にしたコラボレーショングッズ「All Shibuya」も展開されています。

まずは、代官山のてぬぐい専門店「かまわぬ」とコラボしたこちらの商品。審判が試合で使うバスケのサインの意味を、サンディーが文字通り体を使って分かりやすく説明してくれています。折って蛇腹にしていくと手帳になるというユニークな商品です。

©SUNROCKERS SHIBUYA  かまわぬコラボ手ぬぐい サンディー審判手習帳  ¥1500円(税込)

 

こちらはサンロッカーズ渋谷のオフィシャルサプライヤーである大手アメリカンスポーツウェアメーカー、Champion(チャンピオン)とのコラボ。T-シャツ、パーカー、トートバッグなどのアイテムは定番グッズとなっており、ストリートファッションが中心の渋谷文化との融合といえます。ちなみに、サンディーが着るユニフォームとバスケットシューズもChampionです。

©SUNROCKERS SHIBUYA

©SUNROCKERS SHIBUYA

過去には渋谷発のファッションブランド「FREAK’S STORE」とコラボしたことも。サンロッカーズのものと知らずに、コラボ商品を純粋にファッションとして楽しむ人を見かけることも多かったのだとか。渋谷のファッショナブルな文化とスポーツウェアの親和性の高さがうかがい知れます。

 

さらに、サンロッカーズのコラボ商品は、社会貢献活動にも及んでいます。渋谷サービス公社が運営する「SHIBUYA COFFEE PROJECT」のドリップバッグコーヒー「∞Café(ハチカフェ)」とコラボし、オリジナルドリップバッグコーヒーを試合会場にて数量限定で販売しました。こちらの商品はコーヒー製造の一部を、福祉作業所・NPO法人すみれ福祉会で行いました。単にグッズを販売するだけでなく、社会福祉という広い視野を取り入れ、デザインから製造、焙煎までALL SHIBUYAにこだわったコラボ商品です。

©SUNROCKERS SHIBUYA                         対戦相手のイラストがプリントされている

サンディーの人気は、グッズの売り上げ面でも表れており、サンロッカーズの選手たちのレプリカユニフォームを上回るほど大人気!特に売り上げが好調なのがぬいぐるみとマスク。ぬいぐるみはあまりのかわいさに、思わず相手チームのファンが買ってしまうほど!コロナ禍で必要不可欠になったマスクも、サンディーをあしらいつつも、普段使いができるスタイリッシュなデザインを両立していることもあり、需要が高まっています。

 

©SUNROCKERS SHIBUYA

事業統括部の皆さんに、商品開発する際に気をつけていることも伺いました。

「サンロッカーズのファン層は大きく分けて二つ。Bリーグ誕生前からのチームを応援してくださっている30代後半〜40歳代のファンと、若い人が集まる渋谷ならではの20代後半〜30代前半の新しいファンに分けられ、女性ファンの割合が高いことも特徴です。そのため、グッズの商品開発は話題性だけでなく、普段使いもできてファンに楽しんでもらえるように工夫しており、女性に響くように心掛けています」

このような努力が、上で紹介したような人気グッズに表れています。これらのグッズはウェブサイトと会場で販売しているのでいつでも入手可能です。

公式オンラインショップ

【ブランド認知を保つためにしている施策と差別化】

サンロッカーズ渋谷が、ブランドの差別化で大切にしていることは三つ。それが「他がやってないこと・渋谷にちなんだもの・新しいこと」。

特に大切にしていることが「渋谷にちなんだもの」。つまり商品の販売を通じて「渋谷を盛り上げ、渋谷に還元していきたい」という想いです。こうした地域に強く根付いたメッセージを発信し続けているのが他チームとは大きく異なるポイントです。

その理由は、チームのホームタウンが決まるまでの紆余曲折があったためです。B.LEAGUE発足に合わせ、リーグが求めるチーム要件を満たすため動き始めた際、地元の支援やアリーナの収容可能人数などで条件面が折り合わず、なかなか誘致先を決められずにいました。このままではチームがトップリーグのB1からB2に降格になってしまうピンチの中で、ホームタウンとしての受け入れを快諾してくれたのが「渋谷」だったのです。アリーナの確保にも手助けをしてもらい「青山学院記念館」をホームアリーナとすることができました。

多くのチームが都道府県名を入れている中で、「渋谷」というかなり絞った地名を入っているのは、このような経緯があったからです。サンディーは渋谷をさらに盛り上げるべく、特別住民票を取得。観光PRや地域振興を目的に、今後も「渋谷」を背負ったさらなる活動が期待されます。

 

【コラボレーション】

サンロッカーズ渋谷のコラボは、上述のグッズ展開に留まりません。実際にアリーナに赴いて試合を観戦してみると、その随所で様々なコラボを見ることができます。例えばある試合のインターバル中には、サンディーが有名ラッパー・R-指定さんと一緒にパフォーマンス。ノリノリのビートとラップに合わせてダンスを披露し、会場を大いに盛り上げました。

©SUNROCKERS SHIBUYA 2017年12月23日開催ホームゲームのハーフタイムの様子

そして、試合時に着用しているコーチ陣のウェアは、オランダのアパレルブランド企業G-STAR RAWによって提供されました。G-STAR RAWは従来のデニムの域を超えた最先端の研究や素材開発で知られる新しいブランド。コーチ陣はジーンズ・白シャツ・黒パーカー・靴まで全てG-STAR RAWでコーディネートされています。ご覧の通り、試合着とは思えないほどスタイリッシュです。

©SUNROCKERS SHIBUYA

飲料水を販売する自動販売機は、大手飲料メーカーの伊藤園やポッカサッポロなどとコラボしてサンロッカーズ仕様にラッピング。“応援”自動販売機を神南エリア、青山学院大学や渋谷警察署近辺に設置しています。

 

【サンディーが誕生し、どんな変化がありました?】

「サンディーが誕生してから、来場するお客様が年々増えてきましたと感じています。誕生した当時、試合はネット配信されていない状況で、SNSも今ほど盛んではありませんでした。なので、サンディーに会いに来ることが、試合会場に来る楽しみの一つになっていたと思います。」と事業統括部の皆さん。

誕生した時から今と変わらずサンディーはやんちゃで自由奔放な性格でした。当初は選手たちを困惑させたりしましたが、徐々に選手たちにも受け入れられ、今ではサンディーは完全にチームの一員となりました。一緒にウォーミングアップに参加したり、アウェイ選手にもちょっかいを出したり、時には審判にさえも絡むことも。そんなサンディーのキャラクターが着実に人気を伸ばし、来場するお客様の増加にもつながった要因だと考えられます。

 

【今後の展望を教えてください】

サンディーの夢は大きく、今後の目標は日本初の全米デビュー!NBA(全米プロバスケットボール協会)の試合に出場を目指します。バスケットボールの歴史に名を残し、活躍できるように周囲も全力でサンディーをサポートしています。その足掛かりとして、当面の目標はBリーグマスコット総選挙で日本一になること。2020-21シーズンの結果は第3位、来シーズンは第1位を狙います。

https://www.bleague.jp/mascot/2021/ より

【仲良しキャラクターを教えてください。誰に友達の輪バトンを繋ぎますか?】

サンディーと可愛さを比べられていじけていましたが、実は仲の良いペコちゃん。次回はそんなペコちゃんにバトンをつなぎます。

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記事:キャラクター事業部 釜澤直恵 野村隆仁

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