おやつカンパニー ベビースターラーメン!国民的おやつの3代目キャラクター「ホシオくん」に学ぶ

サクセスに学ぶ

第18回オリンピックの開催地が東京に決定した1959年に、株式会社おやつカンパニー(以下、おやつカンパニー)のベビースターラーメンは誕生し、時代の変化にあわせて現在まで進化を続けてきました。

そんな長い歴史を持つベビースターのキャラクター「ホシオくん」は、2017年に登場した3代目のキャラクターです。
今回は、これまでの2度の代替わりの理由やホシオくんが担う役割について、マーケティング本部の諸岡亜由美さん(以下、諸岡さん)に伺いました。

誰もが小さい頃からお馴染みのベビースター、そしてその魅力を伝える新星キャラクターのホシオくんについて深掘りしていきます!

〈目次〉(※クリックするとその段落へ移動します)
47,000件以上の応募の中から選ばれた「ホシオくん」
2代目「ベイちゃん」から代替わりした理由
時代の変化を踏まえてパッケージも改善
ベビースターならではのTwitterコンテンツ
ホシオくん“3.5代目”登場の衝撃
パッケージのみならず幅広い場面で活躍!
ベビースター工場は楽しい学び場
アジア圏を中心に広がっている海外展開にも注目
新しい時代に新しい方法でベビースターの魅力を伝える
【友達の輪バトン】次は“エボルタNEOくん”

 

47,000件以上の応募の中から選ばれた「ホシオくん」


ホシオくんは、歌とダンスが得意な日本生まれの男の子。大好きなベビースターの魅力を全身で表現します。

©おやつカンパニー

「ホシオくん」という名前は、47,000件以上もの応募の中から選ばれました。これほど多くの候補の中から「ホシオくん」が選ばれた理由には、ベビースターラーメンという商品名に込められた思いも反映されています。

「ベビースターは、発売当初“小さい麺のカケラ”という意味で『ベビーラーメン』という商品名でした。その後、1973年に“子どもたちのおやつの一番星になってほしい”という願いを込めて、お馴染みの『ベビースターラーメン』になりました。こういった、“いつまでも子どもたちの中で輝き続けてほしい”という想いから、『ホシオくん』という名前が選ばれました」(諸岡さん)

 

2代目「ベイちゃん」から代替わりした理由


ベビースターのキャラクターは、これまで2度の代替わりをしています。

©おやつカンパニー

初代は1959年の発売当初からパッケージに登場していた女の子のキャラクター、2代目は1988年から2016年まで活躍したベイちゃん。そして2017年からは、3代目のホシオくんがベビースターのキャラクターを務めています。

約30年という長い期間にわたり活躍したベイちゃんから、ホシオくんに新しく代替わりを決定した理由には、役割の違いと時代の変化がありました。

「ベイちゃんは、ベビースターの味を文字の読めないお子様にでも分かりやすく伝えるためのアイコンという機能を担ってきたキャラクターです。しかし、時代の変化によって“モノ”から“コト”へ、物質的な価値よりも情緒的な価値へとお客様のニーズが移行してきた過渡期にありました」(諸岡さん)

こうした方針から、お客様のニーズを汲み取った機能や役割を担うベビースターの新たなキャラクターとして、ホシオくんへのバトンタッチが計画されました。

そして2017年1月に「ベビースターキャラクター引継ぎ式」が行われました。

ホシオくんがこれまでのキャラクターと大きく違う点は「表現力」。味のおいしさも含めて、ベビースターを食べたときの喜びや楽しさ、ワクワク感など、一瞬の気持ちを表情や体全体で表現することでベビースターの魅力を伝えます。

諸岡さんによると、若い世代を中心に「ベビースターのキャラクターといえばホシオくん」という認識がだんだんと浸透してきているようです。ただ、幼少期からベイちゃんと一緒に過ごしてきた世代にとっては一抹の寂しさも…。

「いずれは、ホシオくんが親しみのあるキャラクターとなり、ベイちゃんはお父さんお母さん、さらにはおじいちゃんおばあちゃんの世代が知っているキャラクターというふうになっていくのかなと感じております。そういったキャラクターの違いや自分が昔体験した思い出みたいなものを共有できるというのは、ブランドが長く続いてる秘訣でもあると思っています。思い出話に花が咲くということも、ベビースターのキャラクターを変更した意義があったと言えるのではないでしょうか」(諸岡さん)

 

時代の変化を踏まえてパッケージも改善


ベビースターは、パッケージデザインも時代に合わせて変化しています。発売当初は、女の子のキャラクターがあしらわれたオレンジ色のパッケージでした。そこから2代目のベイちゃんに移ったタイミングで、白色のパッケージにリニューアルされました。

パッケージの変遷。左上:1959年、右上:1973年、左下:1988年、右下:2017年 ©おやつカンパニー

「流通先が駄菓子屋さんからコンビニやスーパーマーケットに変わってきたというのが、色の変更の大きな要因になります。そういった店舗の中でも映えて、アイキャッチになるような商品にするため、ベビースターのロゴを大きく配置しました。そして、白を基調としたパッケージにすることで、安心・安全といったイメージや、古い印象を払拭するようなリニューアルを行いました」(諸岡さん)

ホシオくんに代替わりしてからも、ベイちゃんが登場した際の白を基調としたパッケージデザインが踏襲されています。これまで3代のパッケージで一貫しているのは、商品名のロゴを大きく配置することや、必ず“麺”をパッケージの表面に入れて「ベビースター」だということを分かりやすく伝えること。配置はシズル感の訴求にこだわっており、お子様にも親しまれるようなかわいらしくポップな印象を与えるデザインが採用されています。

 

ベビースターならではのTwitterコンテンツ


おやつカンパニーでは、Twitter、Facebook、Instagram、YouTubeでSNSの発信を行っています。その中で、ホシオくんが主に登場するのはTwitterです。

Twitterでは、新商品やキャンペーンの情報など、さまざまな発信を行っています。そのなかでもフォロワーさんたちの日々の楽しみになっているのが、ベビースターで文字を作る「麺文字」です。

投稿する日にちなんだ“○○の日”や、“曇り~・暑ぅ~ぃ“など天気や気温についてなど、ベビースターを使ったゆる~い文字でお届けしています。

この麺文字は数あるTwitterアカウントの中で、いかに“おやつカンパニーらしさ”を打ち出していけるかを社内で模索し、“ベビースターならではのうねった形状”に着目してコンテンツ化できないかと考えたところが始まりでした。

「Twitterを利用されている若年層のユーザーの中で生まれるコミュニケーションや、話題になるようなコンテンツの提供というのが重要かな、と思って運用しております。日々のトレンドワードや記念日みたいなものは、その時しか表現できないことなので、そういったタイムリーなネタを麺文字にすることで話題として提供させていただいてます」(諸岡さん)

ベビースターの麺は一本一本が個性的な形をしていて、一つとして同じものがありません。次にベビースターを食べるときには、その形をじっくり見てみると面白い発見があるかもしれませんね!

 

ホシオくん3.5代目登場の衝撃


おやつカンパニーのHPにあるキャラクター紹介のページでは、紙吹雪がひらひらと舞う中、さまざまな表情で歌って踊るホシオくんが私たちを迎えてくれます。

ページ内にたくさんのホシオくんがいる中で、一際目を引くのが「ホシオくん」3.5代目

©おやつカンパニー

ホシオくんは2017年の1月に初登場しましたが、3.5代目が登場したのは同年4月のエイプリルフール企画でした。

「ホシオくんの誕生では、世の中の方々に驚きと楽しみを与えることができました。そのわずか3カ月後に3.5代目を登場させたことで、さらに驚きと好意をもって受け入れられたと思っております」(諸岡さん)

当時はホシオくんが登場したてということもあり、Googleの画像検索をしてもホシオくんのビジュアルが検索にかかることはほとんどありませんでした。しかし3.5代目の登場以降は、好意的に捉えられている検索結果が多く出現するようになりました。ホシオくんの認知拡大を大きく前進させたのが、この3.5代目だったのです。

同社のホームページに掲載されている「ベビースターを探せ」というゲームも、エイプリルフールの企画で生まれたものです。

©おやつカンパニー

お題となるベビースターの1片を、大量のベビースターの中から制限時間内に見つけ出さなければいけないという難易度の高さで大きな話題となりました。

このようなイベント企画から時間が経っても楽しめるコンテンツ作りには、「ベビースターをきっかけとして、お客様と相互コミュニケーションを図っていきたい」という、同社の思いが背景にあります。一過性の企画だけでなく、「その先」につながる施策を積み重ねることで、HPのコンテンツも充実のラインナップになっています。

 

パッケージのみならず幅広い場面で活躍!


ベビースターはさまざまなグッズが販売されていますが、主にグッズを扱っているのはベビースターのテーマパークであるおやつタウン(運営:株式会社おやつタウン)です。

©おやつタウン

おやつタウンでは、雑貨や文具、日用品など多様なグッズが展開されています。

©おやつタウン

1番人気は、振るとシャカシャカと音が鳴る「シャカシャカボールチェーン」。これは、ベビースターのパッケージの形をしたアクリル製のマスコットの中に、ベビースターを模したフィギュア入ったキーホルダーです。次に人気なのが筆記用具やハンドタオルなどの日用品です。

このように、ホシオくんはほとんどのグッズに登場しています。日常生活にグッズとして浸透していくことで、お客様が普段のさまざまな場面でベビースターに触れる機会となっています。

「2代目までのキャラクターは、商品パッケージでの活躍というのがメインでした。ホシオくんは楽しさや嬉しさを体現するようなキャラクターですので、キャラクターグッズとしての展開やおやつタウンのオープンなど、幅広い場面での活躍ができるようになったというのは大きな変化です。売上の面でも大きくベビースターの再活性化に寄与してくれていると思っています」(諸岡さん)

 

ベビースター工場は楽しい学び場


おやつカンパニーでは「たっぷり、たのしい、『おやつ』と『夢』の創造」という経営理念に基づき、SDGsの達成に向けた取り組みやCSR活動を行っています。その一つが工場見学です。

©おやつカンパニー

おやつタウンの向かいにあるベビースターの工場では、竣工したタイミングから専用の見学通路を設けており、地元の幼稚園や小学校に通う子どもたちの社会見学の場として無料で開放しています。

ポップでカラフルな色使いをした工場には、ホシオくんが外壁の他にもさまざまな場所で登場し、見た目にも楽しい学び場となっています。2021年9月現在は、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から工場見学は中止していますが、予約が再開したらぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

 

アジア圏を中心に進んでいる海外展開にも注目


ベビースターは日本だけでなく、麺文化があるアジア圏を中心に1983年から輸出を展開しています。少しずつ海外での認知度も向上しており、2017年には初の海外生産拠点として台湾工場が設置されました。また、現地ならではのコミュニケーションをとっていくために、マーケティング部門や商品開発部門も徐々に増設しており、今後は本格的な海外展開に期待が寄せられています。

ちなみに、海外のベビースターの味は原材料の違いから若干風味が異なりますが、基本的にはどこの国でも同じ味をベースにつくられています。一方で、台湾などの温暖な地域ではスパイシーな味わいが好まれるという傾向があるため、台湾独自のフレーバーのご当地ベビースターやドデカイラーメンも展開されています!

オーストラリアで販売されているやきそば味(左)と台湾で販売されている麻辣味(右)のパッケージ ©おやつカンパニー

 

新しい時代に新しい方法でベビースターの魅力を伝える


ベビースターやホシオくんは、特にお子様からの人気が高いですが、それはお父さんやお母さんからの影響が大きいと考えられます。おやつカンパニーが行った調査では、子育て世代が昔、自分が食べていたベビースターを買って、お子様と一緒に食べているという方が特に多いという結果が出ています。

小さい頃にどれだけベビースターに触れてもらえるかということが、今後ブランドを長く続けていくためにも必要なことだと思っておりますので、お子様に向けたコミュニケーションも密に図っていきたいと考えております」(諸岡さん)

幼い頃から親しんだベビースターを、大人になってまた次の世代へとつないでいく。そのようにして、ベビースターは現在まで3世代にわたって愛され続けているのです。

「これから生まれてくるお子様たちにもベビースターを愛していただきたいので、より幅広い年齢層の方々に支持していただけるような商品でありたいと思っております」(諸岡さん)

新しい時代に新しい方法で。ホシオくんはたくさんの方の思い出がつまったベビースターの魅力を、これからも伝えていきます。

 

【友達の輪バトン】次は“エボルタNEOくん”


次回は、Panasonic(パナソニック)乾電池「エボルタNEO」のマスコットキャラクター「エボルタNEOくん」にバトンをつなぎます。新しい電池の可能性を模索し続け、毎日いろんなことに挑戦中です。ちなみに、座右銘は「人生プラスマイナスゼロ」とのことです。どうぞお楽しみに!

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記事:クリエイティブ事業部 藤井明梨

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